リングに水を入れる
LEDで照明をする
水レンズ顕微鏡で撮影した写真
使用したテキスト
参考文献
H.H. Myint, A.M. Marpaung,
H.Kurniawan, H.hattori and
K. Kagawa :
Physics Education,
Vol.36,No.2, pp.97-101
(2001)
表紙に採用されました
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・半球状容器に水を入れると凸レンズとして働き、その水を通して虫眼鏡(むしめがね)のように物が大きく見えることは良く知られています。
その原理を利用して水滴で水レンズ顕微鏡を製作することが出来ます。
スライドガラスの上に金属製のネジのリング(ワッシャ:内径4mm程度)を置き、リングの外側に接着剤をつけてスライドガラスに固定します。
接着剤が固まったら、スポイドか注射器を使ってリングの中央の穴にわずかな水を入れ、表面張力で膨らんだ水滴を作ります。このときリングから水がはみ出さないように注意が必要です。
水滴の膨らみによって凸レンズとしての焦点距離が決まります。水滴があまり膨らみすぎても良いレンズにはなりません。まずは、焦点距離が十数ミリ程度のレンズを作ります。
スライドガラスを手に持って新聞紙の文字などに近づけると大きく見える所があります。それから焦点距離がおおよそわかります。
実際に水レンズ顕微鏡として使用するためにはレンズに絞りを入れる必要があります。
また、簡単な方法で観察物体と水レンズの距離を調整するために、油粘土をスライドガラスの下に置いて、上から像を覗き、スライドガラスを押さえながらピントが合ったところで止めます。
観察物体の照明は100円ショップで購入できるLEDなどを用います。
このような簡単な装置でもいろいろな工夫が必要であることを子どもたちに認識させることはとても重要です。
この水レンズ顕微鏡の倍率は10〜30倍程度ですが、花のめしべ、おしべ、昆虫の頭、食塩の結晶などが面白く観察でき、子どもたちはその意外性に驚き、喜んで観察します。
我々の実験教室では各自に部品を与えて水レンズ顕微鏡を組み立てさせています。
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